この時期になると、東海地方では平地産のゼフィルスの発生が見られるようになる。毎日が撮影日和となるが、どんより曇った日もそれなりに撮影できる蝶があるものだ。このところ、土日はできるだけ家族サービスに徹している(ちょっと怪しいかな)。
6月4日(火)は、朝からどんより曇りいよいよ梅雨入りである。早朝4時に起きて、豊田市まで1時間ほどかけてクロミドリシジミのポイントへ向かった。ちょっと叩くと狙いどおりクロミ♂が降りてきたが、コンクリートの上で撮影した後、もう少し叩こうかと思い目を離した隙にいなくなってしまった。ミズイロオナガシジミ♂もパラパラと降りてきたのでマークしておいたところ、何と翅を開けているではないか。他に良いポイントがないか近くを流していると、ウラナミアカシジミ♂も撮影することができた。
側溝上のコンクリートの上に降りてしまったクロミドリシジミ♂
D600+200mmマイクロ、豊田市、2014.06.04
地面に降りたミズイロオナガシジミ♂
D600+200mmマイクロ、豊田市、2014.06.04
上と同じ個体
D600+200mmマイクロ、豊田市、2014.06.04
ウラナミアカシジミ♂、キナンウラナミアカの♀より大きい感じ。
D600+200mmマイクロ、豊田市、2014.06.04
早朝の撮影を済ませ、本日梅雨入りとなる前に是非やっておかなければならない仕事がある。サツマイモを買って植えるのである。碧南市まで南下してサツマイモの苗(金時)を購入して一旦家に戻った(アイスクリームも買ったので)。
ここで、農作業に入るのが普通であるが、常滑市へミドリシジミを見に行くことにした。このようにどんよりした日は、ミドリシジミが低いところでよく開翅するのでチャンスである。到着すると、先客が2名、一生懸命にネットを振っておられ、既にかなりの数を採集しているようだったので、つまらない語りかけをしてしまった。「何頭くらい採るんですか?」、「決めていない」。
「展翅するのも大変ですね」、「全部展翅するわけではない」・・・。
「何のために・・・」、「あんたこそ、撮ってどうするの」。
つまらない会話である。その後、もう一人の方が本音を言ってくれた(私から話しかけたわけではない)。
「採ることが楽しい。あとでこの風景(情景)が浮かんで来るんだ・・・。」
純粋に採ることが楽しいということ、うーん、わからないでもないが、70歳前後の方々(見た目)である。
ちょっと離れた(ヤマウルシが咲いている)場所で、撮影を始め、一通り撮影したので普通なら帰るところだが、帰ればこちらへ来て採集を続けるのがわかっている(暗黙の了解)ので、撮影を続けているとカメラを持ったお二人が来られ、ホッとした。これで帰れる。
帰り際に「さっき捨てたタバコ拾っておいてくださいね」と伝えると、あわててポイ捨てタバコを拾っていた。
ハンノキから降りてきたミドリシジミ♂の裏面、鮮度が気になります。
D600+200mmマイクロ、常滑市、2014.06.04
上と同じ個体
同上
同上
前翅にちょっとキズがあり、無傷の個体は来年の課題。
撮影に来られた方からお聞きしたのだが、朝、蝶を採集をしていると、散歩をする人たちから辛らつな言葉を浴びせられらるようで、来にくいらしい。それで、人がいなくなった頃を見計らって来るのだそうだ(ちょっとかわいそう)。
私が中学生だった頃は、長い竿を持って電車に乗り採集に行くと、大人から褒められたことはあったが、今はどうなんだろう。既に、昆虫少年や青年は絶滅危惧種で、採集老人のみが健在である。
さて、久しぶりに志賀昆虫で買い物をした。このことはいずれ話すこととしよう。