西表島で撮影したリュウキュウウラボシシジミ

今回の八重山撮影行は、気温が低く日射しもほとんどないという最悪の条件だった。そんな中で、西表島の撮影ではこの蝶のために撮影時間の半分以上費やしたものの、撮影できたのは西表2日目の3月8日のみという惨憺たる状況で、「何とか撮れたかなあ」という、なんとも情けない限りであった。。

リュウキュウウラボシシジミを求めて大富林道へ入った。この林道は仲間川沿いに

続いており、かつては蝶影が濃い林道として有名であったが、最近はあまり良い話を聞かない。しかしながら、この蝶に関しては林道沿いに何か所かポイントがあるようで、1~2時間待てばセンダングサでの吸蜜が可能な貴重な場所である。

タチアワユキセンダングサで吸蜜するリュウキュウウラボシシジミ♀?

D600+マクロプラナー100mm、石垣市、2014.03.08

タチアワユキセンダングサで吸蜜するリュウキュウウラボシシジミ(同上)

D600+マクロプラナー100mm、石垣市、2014.03.08

タチアワユキセンダングサで吸蜜するリュウキュウウラボシシジミ♀?

E-M1+ZD50mmマクロ、石垣市、2014.03.08

タチアワユキセンダングサで吸蜜するリュウキュウウラボシシジミ

E-M1+ZD50mmマクロ、石垣市、2014.03.08

さて、リュウキュウウラボシシジミは、もう1か所の林道(一応そうしておく)でも撮影することができた。この場所では撮影というより、観察といった方がよいだろう。

2年前の3月上旬沖縄島の東村での撮影で、リュウキュウラボシシジミのパトロール飛翔及びテリ張りを確認している。テリ張りと同時に2年前はゆっくりと開翅する個体もいたので、今回も期待したが、気配はあったものの残念ながら開くことはなかった。

パトロール飛翔は前回(東村)と同じように10m間隔くらいでオスが巡回しており、他のオスが侵入した場合には、それまでのゆっくりした飛翔がウソのように激しい追尾飛翔が始まり、時には数メートル上空まで追いかけ、元からいるオスが侵入個体を追い払うというパターンを繰り返した。とまる場所についてもこだわりがあるようで、ある程度の高さがあり風で揺れない葉を選んでいるように思われた。

この場所ではセンダングサがないため、人間の目線より上で咲いている木本の白い花へ吸蜜に来ていた。

シダの上でテリ張り?をするリュウキュウウラボシシジミ♂

E-M1+ZD50mmマクロ、石垣市、2014.03.08

そもそも、センダングサは外来種であり、リュウキュウウラボシシジミの本来の吸蜜植物ではない。センダングサへ吸蜜に訪れたところを観察していると、まず花弁にとまりゆっくり移動して吸蜜するパターンが多くみられ、比較的時間がかかるためゆっくり撮影できるチャンスが多くある。

3種くらいの白い花へ吸蜜に来たリュウキュウウラボシシジミ♂

E-M1+ZD50mmマクロ、石垣市、2014.03.08

上記の植物とは違う花で吸蜜しているリュウキュウウラボシシジミ♂

E-M1+マクロプラナー100mm、石垣市、2014.03.08

 

上の吸蜜写真は、アングルやピントが甘く撮り直したいと思って、最終日にほぼ1日この場所へ張り付いたが、厚い雲に覆われ気温も上がらなかったため、リュウキュウウラボシシジミは現れることはなかった。気温とか光によって活動のスイッチさえ入ればチャンスがあると思ったが、活動したのはヒメウラナミシジミまでであった。