ムラサキツバメの集団サイズは小さくなっています

最近、みなさまのブログを拝見していると、ウラゴマダラシジミの卵がよく登場しています。蝶の雄は交尾機会のため、雌は産卵のため生きているようなものですから、卵の場所や若齢幼虫のいる場所を調べることは、分布の効率的な調査といえるでしょうね。

私的に気になったのは、卵塊の卵数です。1卵から20卵を超す卵塊まであるようで、写真で見る限りは枝の大きさとも関係ないようですし、単に羽化後の日齢による産卵数の減少なのかよくわかりませんが、卵塊による産卵がウラゴの戦略だとすると、偶然にしてもバラツキが大きすぎるような気がします(ギフチョウでも食草に違いで卵塊の卵数は違うようです)。

インフルエンザにかかった身としては、ひたすら寒さが身にしみる今日この頃ですが、ムラサキツバメの集団のサイズ減少も気になりますね。12月末までは集団は大きくなっているケースが多いんですよね。

先日の写真を見直していたんですが、こんな妄想が頭をかすめました。昆虫の雌雄が同じコロニーを形成するような場合、一般的に成熟していないことが条件だと思うんですが、1月に入って気温が下がっているにもかかわらず、集団が離散するのは、外的な要因(鳥に食べられたとか)か性的に成熟したため順次離反したことなどが理由として思いつきます。

ムラサキツバメは、よく地球温暖化の指標昆虫のごとく語られますが、そんなに単純なものではないと思いますね(天敵もいると思いますし)。

マテバシイに特化したムラサキツバメは、食餌植物の生態に支配されるわけで、とりわけ、第一世代幼虫はマテバシイの春の芽吹きの時期は重要なタイミングで、これに合わせて孵化する必要があります。また、近年マテバシイが公園や街路樹として植えられたケースが多く、関東への進入は植栽樹に付着していたためではないかと言う話も聞いたことがあり、現に東海地方の定着は関東より遅いようですね。

それから、3世代目の幼虫は、秋の発生となりこの時期の良い餌としてはひこばえがある条件、つまり、ある程度まとまって生えていて、刈り込みなんかが行われる条件がよいように思います。

話が長くなりましたが、写真を見直すと樹幹の単なる飛翔ではなく、雄のテリ張りのように思えてきました。いろいろご存じの方はご教授ください。

開翅前後の飛び方やこんなポーズを見るとテリ張りなんでしょうか?2012.01.02マテバシイの葉上の♂
開翅前後の飛び方やこんなポーズを見るとテリ張りなんでしょうか?2012.01.02マテバシイの葉上の♂

12月末に3つの集団で合計20頭いたんですが、本日は合計6頭でした。病気のせいで食欲もなく、食べ物ネタはありませんが、次回からは元のペースに戻します。