2011年

6月

27日

6月最後の週末も、大変でした

6月最後の土曜日(25日)は、欲張りな予定を立てて、早朝フジミドリ、メスアカと続けて、ヒサマツを撮ってからキマルリへの転戦を考えていました。
結果は、通行止めのため、フジミドリとメスアカは不戦敗となり、大垣のヒサマツミドリポイントに到着したのは、9時を過ぎていました。車を降りると足下に無数のヒルがいます。天気もはっきりしないので、長靴を履き最小限の装備で車を出ました。砂利のところにはヒルはいないので、そのような場所で待っていると薄陽が差してきて、遠くでヒサマツが飛び始めました。翅を開いた様子は、かろうじてヒサマツ♂と分かるレベルですし、新鮮な個体であることが分かります。

 

こんな写真見たくもないかもしれませんが、足下で蠢いています。
こんな写真見たくもないかもしれませんが、足下で蠢いています。

もう少し低くて近い位置を探して、(いろんなところでお会いしている)Yさんという採集者と話していると、木漏れ日の中をヒサマツが下りてきます。目線より少し上にとまりましたので、裏面を撮影させてもらい、ネットイン。もう1頭も同じように下りてきました。本当はもう少し待って下さいと言いたいところを我慢して裏面のみの撮影です(待てば必ず開翅します)。
多くの採集者は、蝶がとまる、吸蜜、開翅などの行動を否定することがよくあります。このことは、その人にとっては真実なんでしょうが、もしネットインしなければ、その後、蝶がどのような行動をとったかは、知るよしもありません。「蝶の傍らに」というタイトルには、蝶とゆったりした時間を過ごしたいという思いもあるのですが、撮影中は自分中心の行動となることが多く、大いに反省しなければいけませんね。この後、ヒルにやられまして、その写真もあるんですが、アップするのはやめときます。
昼頃に切り上げて、岐阜県美濃地方のやや北へ移動しました。目的はこの時期に発生するキマダラルリツバメ(キマルリ)です。午後3時過ぎにポイントに到着すると見慣れた御仁がおられます。翔写真館の翔さんです。情報源は同じSさんなのでピンポイントです。目的のキマルリはなかなか現れませんでしたが、4時半頃、網を持ったやや若い採集者が来たところで、翔さんが見つけました。私はボーとしてただけで、後追いで確認(視力の性か注意力散漫か)し、採集者の方も遠慮されたので、何とか撮影ができました。
いろいろあって、満足のいく撮影ではなかったんですが(すべて自分の性)、翔さんの判断の良さは見習わなければなりません。

日曜日も当然出かけたんですが、特筆すべきことも写真もないので、土曜日分だけです。日曜日の分は、いずれ何かしら役立つ日が来ると思います(きっと、無駄にならずにすむでしょう)。

2011年

6月

17日

梅雨の真っ最中、新潟までチョウセンアカシジミを見に出かけました

前日飲み会があるにも関わらず、6月16日(木)は勢いで休みを取ってしまいました(本当は土曜日の振り替えで休んだんですが)。静岡県北西部が晴れれば、文句なしでベニモンカラスシジミですが、どう見ても曇りのち雨、下手をすれば到着後まもなく雨粒が落ちてきそうな状況の中、選択肢は限られます。
マダニと格闘しながら近場のオオミドリシジミ(気持ち的にNG)、関東や北陸までオオミドリを見に行く(そんな根性なし)、上高地から標高を上げてクモツキと穂高(飲んだあとでは無理でしょう)、などなどいろいろ考えたあげく、九州のIさんからいただいた情報で越後長岡市のチョウセンアカシジミを見に行くことにしました。
新潟県三条市以南のチョウセンアカシジミは、放蝶であることが知られています。このことが唯一マイナス要素でしたが、3年前に行った小国町では時期が遅かったこともあって満足のいく撮影ができなかったので、日帰り走行距離約1,000kmという暴挙に出たのでした。

トネリコの樹冠に止まっている♂に向かってスクランブルをかける♂2頭が何とか写りました
トネリコの樹冠に止まっている♂に向かってスクランブルをかける♂2頭が何とか写りました

出発も当然遅く、ゆっくりとしたお出かけで(こんな時刻でいいのか)、目的地に到着したのは正午を過ぎておりました。この蝶の場合は、朝や昼間の叩き出し、夕方の活動時間あたりが撮影の常套手段と思われますので、午後でも十分ではありますし、薄曇りですし、そもそも早朝現地なら泊まるしかありません。
地名と環境を聞いていましたので、難なくポイントらしき場所にたどり着いたところで、トネリコの持ち主と思しきおばあさんに事情を説明してから叩いてみると、パラパラ飛び出します。まあ、撮影については写真のとおりなので、何も言うことはありませんが、この地の食樹についてお話しします。
いわゆるトネリコの仲間は、葉の付き方に特徴があるので、私のような植物音痴?にも容易に判別できます。この木が民家近くの田んぼの畦に等間隔で植えてあることが気になって、おばあさんに聞いてみたところ、この木は「トオムギ」(このように聞こえた)と言ってハザ掛けに使うんだという説明でした。一応、すぐに合点できたのですが、この名前が引っかかります。何でムギなのと思いながら反芻しているうちに、ハタと思いつきました。これは、○○○木なんだ。前の3文字は「田面」が訛ったやつだ。これでスッキリ(ほんまいかいな)。

その後、新潟に住んでおられる方からタモギ(タモの木)の聞き間違えではないかとの指摘がありました。そのとおりだと思います。
前置きが長く申し訳ありません。
写真は、久しぶりにたくさん撮りました。でも、掲載する写真は、番外を除きいつものとおり3枚です(これで冬に整理して蔵出しする写真が増えるぞ)。撮っているときはこれは雄、こっちは雌とよく分かっていたはずなんですが、いざ整理しているとエッこれは??の連続です。ストロボのあるなしや角度で写真は変わってしまいますね。
撮影時間は、夕方の飛翔時間までいたため、4時間程度となってしまい、運転時間12時間(休憩を含む)を足した時間が本日の行動時間です。たぶん5年後にはこんなハードな撮影行は無理と思います。ほんとに馬鹿な趣味ですね、以上。

2011年

6月

14日

6月12日(日)は曇りがちですが、朝のクロミドリシジミからスタート

この写真は、帽子の主に無断で載せています。さて誰の頭でしょうか?
この写真は、帽子の主に無断で載せています。さて誰の頭でしょうか?

日曜日の報告が遅れています。何を書こうか迷っており、まとまりません。昨年はパスした豊田のクロミですが、今年は様子見を含めて2度目となりました。

ここは、Tさんが見つけたポイントで、その探索能力はすばらしいものがあります。6時前に到着しましたが、すでに4名(Mさん、Fさん、Kさん、Yさん)が来られていました。残念ながら、採集される方が先に来ていたようで、少し叩きましたが、手応え無しです。もう一か所のポイント(ここもTさんの見つけた場所)では、SさんがIさんと一緒に雄2頭の開翅を待っています。ありがたく、撮影に参加させていただきましたが、狭い場所に7名集まることとなり、譲り合いながらの撮影となりました。ストロボや焦点距離の短いレンズは使いづらい状況です。それ以上にクロミから見れば異常事態です。レンズが近づき、シャッターが切られ、ストロボも光ります。1頭は翅を閉じてしまい、しばらくすると、そのまま、飛び立ってしまいました。

最近は情報が集中して、このような光景が多くなりました。遠くの方とお話も出来ますし、楽しい時間が過ごせるので、有意義ではあるんですが、自分が望んでいる撮影環境とは違うような気もしています。アベマキの林はあちこちにありますので、地元の人間として、来年までに他のポイントを探すこととします(本日、長久手探索失敗)。

撮影ポイントの共有(表現が違うかも)は、撮影を効率的に行えるので、積極的に情報交換をしたいと思っています(圧倒的に情報を頂くことが多いんですが)。

その後、ベニモンカラスシジミの撮影のため、南信濃へ行き、静岡県側も探しましたが、観察1頭のみだけでした。梅雨の真っ最中ですが、今週中に雨の合間を縫ってベニカラの撮影に出かけたいと思います。

2011年

6月

11日

雨模様の土曜日は、新城市のヒメヒカゲを見に行きました

雨上がりに咲くササユリです
雨上がりに咲くササユリです

6月11日(土)は、朝から雨が降っています。昼前から小降りになってきましたので、新城市まで出かけることにしました。愛知県のヒメヒカゲは、昨年4月から条例で、原則採集禁止となりました。一昨年までは採集者が沢山いた場所へ行くと1時間ほどで10頭ほどのヒメヒカゲ(全て雄)が見られました。

曇りがちの天気ですと結構開翅するので期待しましたが、擦れた雄が翅を開いてくれただけでした。この時期のヒメヒカゲの撮影は、蒸し暑さとの戦いですが、本日は夕方用事があるので、早めに切り上げました。

2011年

6月

05日

大井川上流(南アルプス)のクモマツマキチョウ

6月4日の土曜日は、大井川上流のクモマツマキチョウを見に行くために、朝早起きして二軒小屋ロッヂに向かいました。二軒小屋というクモツキの産地は50代以上の方には特別な響きがあると思うんですが、勝手な思いこみでしょうか?この場所に足を運ぶのは3回目となりますが、3度目の正直となりました。畑薙第二ダムに着いたのは7時少し過ぎ、二軒小屋に到着したのは9時、早速受付をすませて、9時半に出発です。

いろいろ歩き回って、12時頃に何となくこの辺かなと思って荷物を下ろしてあたりを見回すと、なんとクモツキが飛んでいるではないですか。こちらに飛んで来ますがなかなか止まりません。その後30分くらいの間に2頭(たぶん)が順番に姿を現しましたが、何とか撮影というところですね。

二軒小屋ロッヂ(写真掲載)は、送迎付き一泊二食で13,000円です。山小屋としては破格に高いんですが、料理は美味しいですし、ボリュームは十分にあります。この日の夕食メニューを紹介しますと、前菜に菜の花、蕨、椎茸の一皿と鹿肉のカルパッチョ(写真掲載)、山ウドのピザ、ヤマメの燻製、パエリア風釜飯、野菜のスープ、牛肉の煮込み、シャーベットにコーヒーです。なんといっても、片道6時間以上かかるであろう林道の送迎がありますので、お得ですよ。

ロッヂの全景です。新しくはありませんし、ベッドも二段ベッドですが、雰囲気があっていいですよ。
ロッヂの全景です。新しくはありませんし、ベッドも二段ベッドですが、雰囲気があっていいですよ。
美味しいし、ボリュームたっぷりですよ。
美味しいし、ボリュームたっぷりですよ。

前日は、ビールを2杯飲んでぐっすりと寝てしまったので、朝の目覚めはすっきりです。朝食をすませて、8時に出発し、昨日のポイントに向かいました。9時半に予想どおりの方向からフラフラ飛んできます。止まりそうで止まらず、今度はゆっくりと戻ってきます。昨日も吸蜜したモミジイチゴの仲間?で予想どおり吸蜜です。しっかり近づいて撮影しましたが、これが気に入らなかったのか、その後1時間くらい晴れていたにもかかわらず、姿を見せません。そのうちに曇ってきたので、切り上げようと帰り支度をしているとフラフラと飛んできます。近くで止まらないかと見守ると一瞬視野から消え、川の方へ下りていきます。のぞき込むと数メートル下で翅を広げ止まっています。とりあえず、E-3(150mmマクロ)に持ち替えて撮影ですが、遠すぎるので数枚シャッターを切って、少し下りて撮影、もう少し近づこうとしたら、砂利が落ちて飛ばれてしまいました。頑張りどころだったんですが、這い上がることに集中して見失い、万事休すとなりました。

この場所は、静岡市のため、採集禁止ではありません。採集場所としては、個体数が少なそうなので、よいポイントとは思えませんが、念のため、詳細は記載しないことにします。

2011年

6月

01日

雨模様の中、オオルリシジミを見に行きました

前々日の天気予報を信頼して、休みを取ってしまいましたので、東御市のオオルリシジミを見に出かけました。自然発生しているようなので、田んぼの風景を取り入れた広角写真なんか撮りたいなあと呑気に考えていましたが、朝起きると雨模様です。5時過ぎに出かけましたが、恵那山トンネル付近は大雨です。このまま帰ろうかとも思いましたが、とりあえず、現地まで行くことにしました。

現地に到着しましたが、肌寒くとても野外のオオルリシジミなんか見つけられそうにないので、オオルリシジミを保全しているC社の事業所へ行き、受付をすませたあとクララを見回りました。

すると、成虫は見つかりませんでしたが、花穂に生み付けられた卵を見つけることが出来ました。

クララに生み付けられたオオルリシジミの卵を撮影しましたが、手持撮影ですのでかなり大変です
クララに生み付けられたオオルリシジミの卵を撮影しましたが、手持撮影ですのでかなり大変です

その後、羽化直後のオオルリシジミ雄を見つけることが出来たので、裏面の撮影をしようとしたら、下に落ちて枯れ草の中で柔らかい翅がくちゃくちゃになっているではありませんか。しばらく見守ると、何とかはい上がってきて、ちょうどよいアングルになりましたので、裏面を撮影しました。

近くにもう1頭、こちらは雌でしょうか。

しばらくすると、薄日が差してきました。相変わらず肌寒いのですが、やや擦れた雌が飛び回っています。タンポポの綿毛に止まったショットを載せておきます。

なお、羽化直後のオオルリ開翅を期待してしばらく粘りましたが、正午をまわったところで雨粒が落ちてきて撮影終了となりました。