今年を振り返って

G9+ZD60mmマクロ、Phengaris teleius kazamoto♂ゴマシジミ(中部亜種)、

木曽町、2020.08.23

いくら何でも9月に入ったばかりなのに、「今年を振り返るのか?」という声が聞こえてきそうではあるが、敢えてこのタイトルでいきたい。そう、今から今年を遡って4月まで戻りたい。

同上

D810+200mmマイクロ、Phengaris teleius kazamoto♂ゴマシジミ(中部亜種)、

木曽町、2020.08.22 おそらく、上の写真と同じ個体

この写真を撮るために、2日費やした。今年はこんな撮影が多かった。じっくりではないが、慌ただしく撮影することをちょっと控え、こんな写真を撮ってみたいとか、今回は止めとこうとかそんな感じで、蝶のシーズンを過ごした。

このゴマシジミは、長野県下で撮影した個体としては、明るい青色をしている。やや擦れているものの、いわゆる違う顔をしているのである。下の個体を見ていただければその違いは一目瞭然だ。

今も、迷いながら何を求めて撮影するんだと自問自答しながら行き先を決めている。

G9+ZD60mmマクロ、Phengaris teleius kazamoto♂ゴマシジミ(中部亜種)、

松本市、2020.07.31

上記の写真は、松本市の有名産地の比較的青い個体なのだが、上翅の黒点はそこそこ発達しており、長野県では青くてもこのレベルである。

D500+300mmF4VR+1.4テレコン、Phengaris teleius kazamoto

ゴマシジミ(中部亜種)、木曽町、2020.08.02

D500+200mmマイクロ、Phengaris teleius kazamoto

ゴマシジミ(中部亜種)、木曽町、2018.08.01

この写真を見ただけで、その特徴から産地が特定できる方もいるだろう。明るい青色というより白っぽい青色で外縁の黒帯もあまり広くない。今年は開翅が撮れなかったので2年前の写真を貼っておく。

D500+300mmF4VR+1.4テレコン、Phengaris arionides ♂オオゴマシジミ、

立山町、2020.08.01

同上、ピンボケ個体はミドリヒョウモン♀

今回は日本に棲息するゴマダラシジミ属2種を取り上げた。ゴマシジミに対して裏面に大きなゴマを配しているので、オオゴマシジミである。産卵植物(若齢機の食草)だけでなく、クシケアリを必要としている生活環から棲息場所が限られており、特にゴマシジミは、その多くの棲息場所が、人里に近いところに多いため、開発などで棲息場所を失うことに加えて絶滅目前の棲息地にもかなりの採集圧が加わわり地域ぐるみで保護をしているところでもいついなくなるか心配な状況が続いている。

オオゴマシジミについては、かなり生息環境が悪くなったとはいえ、産卵植物が生えている場所は山奥の谷沿いの場所で、開発しにくいこともあって当面は心配ないだろう。