ノミオンの乱舞

山をバックにノミオンの撮影であるが、何度もトライして何とか・・・である。

G9+MZD17、Parnassius nomion nomion♂、テレルジ、2019.07.11

今年で6年連続のモンゴル行き、チョウの撮影である。出発は7月6日、仁川経由で深夜に到着し、翌日の七夕から撮影に入り13日に帰国した。初日、2日目の撮影に関しては、後日ゆっくり掲載するとして、まずはテレルジで撮影したParnassius nomion nomion(オオアカボシウスバシロチョウ)から紹介しよう。

日本には黄色に赤い斑紋のあるウスバキチョウはいるが、白色に赤い斑紋のあるこのタイプのチョウはいない。かつて、図鑑に北海道産としてアカボシウスバシロチョウが掲載されたことがあったが、現在では朝鮮半島産であることがわかっている。

さて、今回この場所では100頭以上の雄を見ている。この時期のモンゴルでは、どこに行ってもエゾシロチョウが多く、ここも例外ではないのだが、それに匹敵するノミオンが乱舞しているのである。

朝の活動直後、針葉樹林の林縁部を低く飛ぶ美しいノミオン

G9+MZD17、Parnassius nomion nomion♂、テレルジ、2019.07.11

 

 

山をバックにアザミで吸蜜するノミオン♂

G9+MZD17、Parnassius nomion nomion♂、テレルジ、2019.07.09

ウランバートルの郊外でああるボクト山域でもアザミで吸蜜するノミオンが見られた。

D500+200mmマイクロ、Parnassius nomion nomion♂、ボクト、2019.07.12

このようなノコンギクの仲間にも良く吸蜜に来るが、吸蜜時間が短い

D500+200mmマイクロ、Parnassius nomion nomion♂、ダバド峠、2019.07.08

ノミオン♂が草むらへ飛び込んだので、直感的に交尾中であると感じ近づくと、交尾中の美麗な♀が大きく翅を開いて威嚇してきた。

D500+200mmマイクロ、Parnassius nomion nomion交尾、奥テレルジ、2019.07.10

やや、作為的な感じはあるが、山をバックに交尾する姿を収めることが出来た。

G9+MZD17mm、Parnassius nomion nomion交尾、奥テレルジ、2019.07.10

赤い斑紋が前翅に3個、後翅に2個ある派手なタイプの♂が食草のキリンソウで吸蜜をしている。単なる吸蜜ではなく、♀の出現を待っているように思われる。

 G9+Lica45mmマクロ、Parnassius nomion nomion♂、テレルジ、2019.07.9

被写体ブレの写真ではあるが、上下の2頭の♂が仲良く吸蜜しているところに真ん中の♂が突っ込んできたところである。キリンソウの群落の中で、数頭の♂があちこちで吸蜜をしていた。単なる吸蜜ではなく、吸蜜しながら羽化直後の♀が訪れるのを待っているのであろう。時間帯は14時過ぎで、黄色の花での吸蜜はキリンソウのみであった。

G9+MZD17mm、Parnassius nomion nomion♂、テレルジ、2019.07.9

6日間撮影した中で、ノミオンを見なかったのは初日だけ、やや食傷気味ではあったが、次があるとは限らないので、出来るだけ丁寧な撮影を心掛けた。とはいえ、十分満足な撮影が出来たかと言えばそうでもなく、100点満点はない。

吸蜜の写真を撮るだけならば、赤紫系の花で待つのがよい。しかしながら、時間帯の変化によりノミオンがどのような行動をしているかは、ゆっくり見なければいけない。7月9日(火)は、ほぼ一日中歩き回りながら観察をして撮影するように心掛けた。