10月19日(日)も遠出せずに近場をウロウロ

南紀を目指そうと思ったが、どうも天気が今一のようなので、まずは春日井市まで出かけ、最近生息数が増加しているツマグロキチョウを撮影した。このチョウは環境省のレッドデータブックにも載っているが、愛知県では外来種(移入種)のアレチケツメイを食草として増えているようである。

このように、絶滅危惧種に指定されているチョウ(愛知県では第3次で除外案が提出されているようだ)が、外来の植物によって支えられるとは皮肉なものである。

ピントの甘い写真が多く、歩留まりが悪かった。

ツマグロキチョウ♂、E-M1+マクロプラナー100mm、春日井市、2014.10.19

100mmという焦点距離は、飛翔写真用にはちょっと短いのだろうか?そんなことはないと思うのだが・・・。

背景が何ともならない、カタバミやこんな花での吸蜜が多かった

ツマグロキチョウ♂、E-M1+マクロプラナー100mm、春日井市、2014.10.19

公園らしく、アベリアで吸蜜する逆光のツマグロキチョウ♂

E-M1+マクロプラナー100mm、春日井市、2014.10.19

セイタカアワダチソウで吸蜜する順光のツマグロキチョウ♀

E-M1+マクロプラナー100mm、春日井市、2014.10.19

セイタカアワダチソウで吸蜜する逆光のツマグロキチョウ♂

E-M1+マクロプラナー100mm、春日井市、2014.10.19

高精細を目指したマクロプラナー100mmによる撮影で、絞りはほぼ固定のf5.6、しかしながら結果は満足とはほど遠い。

さて、ツマグロキチョウの撮影を終え、お昼を食べてから新川堤防のムシャクロツバメシジミの様子を見に行った。発生が継続していることはわかっていたので、右岸の少し上流を探してみた。1時間半ほど歩き回って、たくさんのツルマンネングサを見たが、ムシャクロツバメシジミを見つけることはできなかった。捕虫網を持っている人(採集者)に聞いてみたら、朝から3頭ほど採集したとのこと、分布は確実に広がっているようだ。今後は人為的な拡散が予想されるので、数年であちこちで見られるようになるだろう。

生物の多様性という言葉を聞いて久しいが、使う人によって、生態系であったり種であったり、遺伝子を意味する極めて曖昧な言葉である。

今年の四月に小笠原母島に数日滞在した。固有種であるオガサワラシジミとオガサワラセセリを撮影するためだったが、セセリの方は撮影できなかった。オガサワラシジミの食餌植物であるオオバシマムラサキは、この狭い島の中でもかなり多様性があるようだ。一見したところ同じ植物に見えないくらい形態も変化に富んでいるし、開花時期も違うようだ。食性の狭いオガサワラシジミがこの島で生きていけるのは、このおかげだろう。

母島では花は多く見られるのに、訪花昆虫であるアブもハチも他の昆虫も極めて少ない不思議な景色が見られる。メジロやメグロなどの鳥は結構いるのにね。蚊も虻もほとんどいないし、危険な大型ほ乳類もいないので、半袖で歩いても快適である。