プチ宴会の翌日(日)は、朝から撮影へ

朝食をいただき、予定どおり8時過ぎに出発です。午前中の撮影目的は諏訪盆地を南下して岡谷市のムモンアカシジミです。この日は福井からSAさんも参加しての4名体制で、狙うは羽化直後のムモンアカシジミです(そう、うまくいくかって思っていらっしゃる方がほとんどと思います)。

まあ、誰の引きが強いかは別として、このメンバーですので何とかなります。到着時刻は9時過ぎで、もっとも遠いはずのSAさんが叩き出しを終えています。新鮮なムモンアカの翅裏を撮影して、さらにちょっとたたき出し、まあ、裏はよいかという感じですが、開翅や飛び交う時刻にもまだ間があります。

昨年、翔さんが産卵を確認したというコナラを中心に見回りを続けていると、うーん、羽化直の翅が伸びていないやつがコナラの株元にいるではないですか。早速皆さんを呼んであっちからこっちから撮影です。蟻に追いかけられながらすばやく逃げるムモンアカの六脚には、フサフサした灰色の毛が付いています。このときの映像は誰か撮っているのでしょうね。私はしっかりと観察してしまいました。本当ならビデオで撮影したいところですね、

コナラの葉の上にとまっている新鮮なムモンアカシジミ♀?
D600+300mmF4+テレコン1.7、2013.07.28、岡谷市

 

攻撃するアリから逃れ、小枝に移動し安全な場所を探して移動しているムモンアカシジミ♂?
D600+200mmマイクロ(ストロボ発光あり)、2013.07.28、岡谷市

安全な場所(蛹がら)にたどり着いて、ゆっくり翅を延ばしているムモンアカ
D600+20mmマイクロ(ストロボ発光あり)、2013.07.28、岡谷市

 

上の写真の反対側から撮影して、最大限トリミングしたもの
E-P5+MZD60mmマクロ(ストロボ発光なし)、2013.07.28、岡谷市

 

蟻から逃げ切ったところで、脚の毛を振りほどくような仕草も見られました。お世話になった蟻から攻撃されるムモンアカシジミの適応能力もすばらしいものです。不要になった脚の毛は、飛翔するためには邪魔なだけですので、脚で掻き落とすのも理にかなっています。

結局は開翅せずに飛び去ってこの観察劇は終了です。羽化時刻やその行動は、従来からの観察例とよく合致しておりますし、とりわけ新しい知見があるわけではありませんが、一同満足の半日だったと思います。

ムモンアカの撮影中にオオヒカゲも見つけていただき、瞬間開翅したんですが、うまく撮影できませんでした。

 

暗いところを好むオオヒカゲを雰囲気を損なわずに撮影することは、かなり難しいことです
D600+200mmマイクロ(ストロボ発光なし)、2013.07.28、岡谷市

 

さて、この日のいろいろな会話は、また後日として紹介する日があるのかないのか分かりませんが、正午を過ぎたところで、SAさんを残して飯田盆地南部のクロヒカゲモドキの撮影に向かいました。

 

 

クロヒカゲモドキ♀の裏面(100分の1秒で切っていますので、手振れしています)
D600+200mmマイクロ(ストロボ発光なし)、2013.07.28、長野県南部

 

午後5時半を過ぎてからテリ張りを始めたクロヒカゲモドキ♂
E-P5+MZD60mmマクロ(ストロボ発光なし)、2013.07.28、長野県南部

最近導入したこのカメラ、125分の1秒で切っていますが、かなり手振れ防止効果は高いようです。

午後1時過ぎに到着し、テリ張りは4時以降とのことなので、2時間以上時間があります。まずは、かつての耕作地で今は草生えとなっているところを探しますが、薄暗くてよさそうな環境のところを叩いても一向に出てきません。よーく見ると最近入ったと思われる踏み跡も見られ、採集者が入った後と思われます。

仕方がないので、一応山頂に向かって移動しながら良いポイントはないか探します。行き当たりバッタリですが、途中でネットを持った採集と思しき人と会話をして、探せばいるかもしれないと直感しました。山頂は明るく乾燥していて見かけるのはジャノメチョウだけです。

翔さんFさんがほぼ同時にクロヒカゲモドキ♂確認です。あとは逃がさないように3人で監視しながら撮影を続けます。その後♀も現れ撮影していたところ、ここで、ネットを持ったご年配(ちょっと失礼な言い方でゴメンナサイ)、採りたそうに近寄ってきましたが、「撮影中なので採集しないでください」とキッパリ、2日前には言えなかった言葉を発しました。

Fさんは夕方用事があるため、後ろ髪を引かれる思いで帰られました(本当のところは分かりません)。

このところ、公私共にややハードスケジュールが続いており、更新が週末までずれ込みました。文章はすぐ書いたのですが、写真の整理に時間がかかります。今年のハイシーズンもほぼ終焉を迎えようとしている中で、もうしばらく、思い残すことがないような写真が撮れるように撮影を続けていきたいと思っています。